第 1 回:web の仕組み
🎯 学習目標
- Web 制作の全体像を理解する
- 開発環境(VS Code)を構築する
- HTML の基本概念を理解する
- 初めての HTML ファイルを作成する
📚 導入(5 分)
自己紹介と講座の目的確認
このコースは、全 13 回で Web 制作の基礎から実践までを学ぶカリキュラムです。HTML・CSS・JavaScript の 3 つの技術を段階的に習得し、最終的には自分の Web サイトを制作できるようになることを目指します。
13 回のカリキュラム概要
- 基礎編(第 1-4 回):HTML・CSS 基礎
- CSS 応用編(第 5-7 回):レイアウトとアニメーション
- JavaScript 編(第 8-10 回):プログラミング基礎から API 連携まで
- 総合制作編(第 11-13 回):オリジナルサイト制作
💡 理論学習(40 分)
Web 制作の基礎知識(15 分)
インターネットの仕組み:クライアント・サーバーモデル
Web ページが表示されるまでの詳細プロセス
各ステップの詳細説明
1. URL 入力 📝
例:https://www.example.com/index.html
├── https:// → プロトコル(通信方式)
├── www.example.com → ドメイン名(サーバーの住所)
└── /index.html → パス(ファイルの場所)2. DNS による名前解決 🔍
- 人間が覚えやすいドメイン名(example.com)を
- コンピュータが理解できる IP アドレス(192.0.2.1)に変換
3. TCP/IP 接続の確立 🤝
[3-way ハンドシェイク]
ブラウザ → サーバー: SYN(接続要求)
サーバー → ブラウザ: SYN-ACK(承認)
ブラウザ → サーバー: ACK(確認)4. HTTP リクエスト送信 📤
GET /index.html HTTP/1.1
Host: www.example.com
User-Agent: Mozilla/5.0...
Accept: text/html,application/xhtml+xml...
Accept-Language: ja,en;q=0.95. サーバー処理とレスポンス 📥
HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: text/html; charset=UTF-8
Content-Length: 1234
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>...6. ブラウザのレンダリングプロセス 🎨
詳細なレンダリング手順:
- HTML パース:HTML を DOM ツリーに変換
- CSS パース:CSS を CSSOM ツリーに変換
- レンダーツリー構築:DOM と CSSOM を組み合わせ
- レイアウト(リフロー):要素の位置・サイズ計算
- ペイント:ピクセル単位で描画
- コンポジット:レイヤーを合成して最終表示
7. JavaScript の実行 ⚡
// DOMContentLoadedイベント後に実行
document.addEventListener("DOMContentLoaded", () => {
// DOM操作が可能
});
// 全リソース読み込み完了後
window.addEventListener("load", () => {
// 画像なども含めて全て準備完了
});🔄 追加リソースの読み込み
⏱️ パフォーマンスのタイムライン
時間 →
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
DNS解決 [====]
TCP接続 [====]
HTTPリクエスト [==]
HTML受信 [======]
CSSダウンロード [====]
JSダウンロード [=====]
DOM構築 [========]
CSSOM構築 [====]
レンダリング [======]
ページ表示完了 ✓Web 制作の 3 つの柱
| 技術 | 役割 | 例え |
|---|---|---|
| HTML | 構造(Structure) | 家の骨組み |
| CSS | 装飾(Style) | 内装・外装 |
| JavaScript | 動作(Behavior) | 電気・水道などの機能 |
フロントエンド vs バックエンド
-
フロントエンド(今回の学習範囲)
- ユーザーが直接見て操作する部分
- HTML、CSS、JavaScript
- ブラウザ上で動作
-
バックエンド
- サーバー側の処理
- データベース操作
- ユーザー認証など
開発環境の構築(20 分)
Visual Studio Code のセットアップ
1. ダウンロードとインストール
- VS Code 公式サイト にアクセス
- お使いの OS に合わせてダウンロード
- インストーラーを実行
2. 基本設定
{
"editor.fontSize": 16,
"editor.wordWrap": "on",
"editor.tabSize": 2,
"editor.formatOnSave": true,
"files.autoSave": "afterDelay"
}3. 必須拡張機能のインストール
| 拡張機能 | 用途 | インストールコマンド |
|---|---|---|
| Live Server | リアルタイムプレビュー | ext install ritwickdey.LiveServer |
| Prettier | コード整形 | ext install esbenp.prettier-vscode |
| HTML CSS Support | 入力補完 | ext install ecmel.vscode-html-css |
ブラウザ開発者ツール基本操作
開発者ツールの起動方法
- Windows/Linux:
F12またはCtrl + Shift + I - Mac:
Cmd + Option + I - 右クリック → 「検証」または「要素を検証」
主要なタブ
- Elements(要素):HTML と CSS の確認・編集
- Console(コンソール):JavaScript のデバッグ
- Network(ネットワーク):通信の確認
- Sources(ソース):ファイルの確認
コース全体の流れ(5 分)
各回の学習目標と制作物
- 第 1-3 回:自己紹介ページ
- 第 4-7 回:レスポンシブギャラリーサイト
- 第 8-10 回:インタラクティブアプリ
- 第 11-13 回:オリジナル Web サイト
最終制作に向けたロードマップ
🛠️ 実習(40 分)
初めての HTML ファイル作成(35 分)
1. プロジェクトフォルダの作成
# デスクトップに作業フォルダを作成
mkdir ~/Desktop/web-course
cd ~/Desktop/web-course
mkdir lesson01
cd lesson012. index.html ファイルの作成
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0" />
<title>はじめてのWebページ</title>
</head>
<body>
<h1>Web制作コースへようこそ!</h1>
<p>これは私の最初のWebページです。</p>
<h2>今日学んだこと</h2>
<ul>
<li>HTMLの基本構造</li>
<li>VS Codeの使い方</li>
<li>開発者ツールの起動方法</li>
</ul>
<h2>次回の目標</h2>
<p>HTMLのタグをもっと学んで、自己紹介ページを作ります。</p>
</body>
</html>3. 各タグの意味説明
| タグ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
<!DOCTYPE html> | 文書型宣言 | HTML5 文書であることを宣言 |
<html> | ルート要素 | HTML 文書の開始と終了 |
lang="ja" | 言語属性 | 日本語のページであることを指定 |
<head> | ヘッド要素 | ページの情報(メタデータ) |
<meta charset="UTF-8"> | 文字エンコーディング | 日本語を正しく表示 |
<meta name="viewport"> | ビューポート設定 | スマホ対応の基本設定 |
<title> | タイトル | ブラウザタブに表示される |
<body> | ボディ要素 | 実際に表示される内容 |
<h1>, <h2> | 見出し | ページの構造を示す |
<p> | 段落 | 文章のまとまり |
<ul>, <li> | リスト | 箇条書き |
4. Live Server での表示確認
- VS Code で
index.htmlを開く - 右クリック → 「Open with Live Server」
- ブラウザが自動的に開いてページが表示される
- HTML を編集すると自動的に更新される
実習のポイント
✅ チェックリスト
- VS Code が正しくインストールされた
- 必要な拡張機能がインストールされた
- HTML ファイルが作成できた
- Live Server で表示確認ができた
- 開発者ツールが起動できた
🎨 発展課題
時間に余裕がある方は、以下にチャレンジしてみましょう:
<!-- 好きな色で文字を装飾 -->
<p style="color: blue;">青い文字</p>
<!-- 画像を追加(URLを使用) -->
<img src="https://via.placeholder.com/300x200" alt="サンプル画像" />
<!-- リンクを追加 -->
<a href="https://www.google.com">Googleへのリンク</a>📝 まとめ・質疑応答(5 分)
今日のポイント
- Web 制作の 3 要素:HTML(構造)、CSS(装飾)、JavaScript(動作)
- 開発環境:VS Code + 拡張機能で効率的な開発
- HTML の基本構造:
<!DOCTYPE>,<html>,<head>,<body> - 開発者ツール:F12 キーで起動、Elements タブで要素確認
環境セットアップの確認
- VS Code は起動できますか?
- Live Server は動作しますか?
- 開発者ツールは開けますか?
次回予告:HTML 基礎
次回は、HTML タグを本格的に学習します:
- 見出し、段落、リストの詳細
- リンクと画像の挿入
- 強調タグとその使い分け
- 自己紹介ページの作成
📚 自主学習リソース
次回もお楽しみに! 🚀
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